アルケミスト

澄み切ったヴォーカルと温もりのピアニズムを、セントラル愛知交響楽団が包み込む。

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昨年、結成15周年を迎えたヴォーカル:こんやしょうたろう、ピアノ:井尻慶太によるデュオ。
テレビ番組でも絶賛された「即興」(会場から3つの「お題」を貰い、その場で曲を作ってピアノ伴奏で歌う)で知られています。


おふたりといえば「三題噺」のように歌詞の内容が素晴らしく、聴かせどころもちゃんとあって完成度の高い「即興」があまりにも有名ですが、あの技は結成当初から?
こんや:実は学生時代に大学のステージでまさかのアンコールを頂いて、もう持ち歌もないしどうしようかと悩んだのがきっかけです。以前から学校で、友達を前に彼のピアノにのせてその場で作ったものを歌って遊んでいたりはしていたのですが、やってみたら意外とうまくいって、次のライヴでも好評になり、いつの間にか僕らのステージには欠かせないコーナーになってしまって…。
井尻:何かマジカルな歌詞作りの才能が彼にはあって、隣でピアノを弾いている僕も、思いもよらない展開には毎回驚かされます。でも彼が歌い上げるものがとても耳馴染みがいいので、それに寄り添うようにピアノで旋律を奏でているとワクワクするし、とても楽しい。当初は凄く緊張しましたけど。
 
―「即興」であれだけのことができるおふたりだけに、どうやってシングルやアルバムの楽曲を作っているのかとても興味深いです。
こんや:確かに別の筋肉を使っているみたいなところはあります。芸人さんに例えるなら「即興」はフリートークのようなもので、レコーディングするための楽曲を仕上げるのは、ネタをじっくり考えるようなスタンスかもしれません。
井尻:「即興」の時、うまくいったことが楽曲作りにも役立っているし、逆に楽曲で完成させたテクニックを「即興」で活かしたりと、お互いに補完し合っています。
 
―例えば「あの空」はどのようにして生まれた曲ですか?
こんや:東京は杉並区の和田小学校の80周年記念イベントの歌ということで依頼を受け、児童の皆さんにアンケートを行ったところ、過去の歴史のことよりも未来の和田小学校についての内容が圧倒的に多かったので、未来に羽ばたいていく子どもたちのための歌にしたいと思いました。彼らが大人になって困難な出来事に遭遇したり挫折感を味わったりした時、小学生の自分からタイムカプセルのように「頑張れ!」っていうメッセージが届いてそのピンチを救うようなイメージで作ったら、みんな未来の自分のために一生懸命歌ってくれました。
 
―「あの空」は愛知県の小学校でも人気だとか?
井尻:武豊町にアウトリーチで訪れた時、この曲はみんなで練習して全校集会みたいに体育館でも歌って貰いました。後日地元の「ゆめたろうプラザ」でのコンサートでとりあげたら、小学生のみんなも一緒に大合唱になって、親御さんたちが驚いていましたね。
 
―9月の「ハーモニーコンサート」は、セントラル愛知交響楽団のアンサンブルとのジョイントですね。
こんや:稲沢市でのアウトリーチでご一緒させていただくにあたって、事前に彼らが僕らの童謡コンサートを聴きに来てくれて、その時にファゴットの大津さんと共演したのが最初でした。それからアウトリーチを通じて仲良くなって、演奏会にゲストとして呼んでもらったり、どんどんと関係が密に。
 
―「ふるさと」や「遠き山に日は落ちて」のようなスタンダード曲のカヴァーには特にクラシックのサウンドがぴったりです。
井尻:「遠き山に日は落ちて」ではコントラバスのジャズっぽい響きにも注目してみて下さい。もちろんオリジナル曲もお楽しみに。
 
―「積水ハウス」CMでお馴染みのあの歌もまた違ったものに?
井尻:セントラルのアンサンブル用の特別ヴァージョンでお届けします。アレンジにあたっては室内楽の勉強をしたりいろいろと奮闘しましたが、とてもいい経験になりました。
こんや:一緒にやれるなんてとても幸福なことですよね。彼らも僕らとの共演を楽しんでもらえたら嬉しい。
 
―ボイスパーカッションの渡辺悠さんも出演されます。
井尻:ピアノとヴォーカルだけの僕らを長年サポートしてくれているのが渡辺さん。出会った時は別のアカペラバンドのメンバーだったのですが、そのイベントで即興のコーナーを一緒にやりたいってお願いしたら引き受けてくれて、とても楽しかった。それ以来の長い付き合いです。
こんや:「即興」コーナーでも、ヴォーカルとピアノを繋ぐような立ち位置で、フレキシブルで柔軟なパーカッションが力を発揮するのでご期待下さい!
 
協力/フリーペーパーMEG